診療のご内容MEDICAL
味覚障害
喉の疾患と治療
味覚障害とは
味覚障害とは、食べ物の味がわからなくなったり、変な味がするなど味覚に異常をきたす病気です。
甘味・酸味・塩味・苦味の一部の味覚が感じられなくなることもあれば、すべての味覚が感じられなくなることもあります。
何も食べていないのに味がしたり、口にするもの全てに渋みを感じるなど症状は様々です。自分で気づくこともあれば、家族から料理の味付けが濃くなったと指摘されることで初めて気づくこともあります。
味覚障害の原因
味覚障害を訴えて来院する患者さんは少なくありません。
近年の高齢化社会、ストレスの増加などから、味覚異常を訴える方は増えてきています。
味を感じる細胞は数十個集合して舌や舌の付け根・軟口蓋に存在しています。有郭乳頭という舌の後方にあるイボイボした隆起は、患者さんが“できもの”や“がん”と間違われることがありますが、これには多数の味を感じる細胞がびっしり並んでおり、正常です。
味覚障害になる原因はいくつかあります。
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亜鉛の欠乏
体内の亜鉛が不足すると、味覚を感じる受容体の代謝が十分に行われなくなり、
味覚障害が起こります。 -
薬の影響によるもの
薬の副作用で味覚障害が起こることがあります。
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病気や治療に合併するもの
糖尿病や慢性腎不全、がんなどの病気で味覚障害が起こることがあります。
また放射線治療を受けられた方は、口やのどの粘膜に炎症がおき、
味覚障害が起こることがあります。 -
口腔やのどの病気によるもの
口の中が乾燥したり、風邪をひいた時やのどの病気がある時などにも味覚障害が
起こることがあります。 -
加齢にともなうもの
加齢とともに味覚を感じる機能が低下します。
味覚障害の検査と治療
今までの既往歴や内服されているお薬をお聞きした上で口の中に異常がないかを診察します。
また、血液検査を行い、亜鉛や肝機能、腎機能などを調べます。それぞれの原因に応じたお薬を飲んでいただき、症状の改善を図ります。
日常生活や人生において「味わうこと」は楽しみの一つです。
味覚が感じられないと食べることさえも不快に感じ、食欲低下や栄養不足がおこり、健康に影響を及ぼすことがあります。
味覚がおかしい?と感じたら早めに耳鼻咽喉科を受診してください。